其々の目的にむけて。

最初に箏を誰かに教える・・・・ということをしたのは
たぶん大学生の頃だったと思います。

教えるというか一緒に弾くというか・・・・・
ちょっとアドバイスするというか・・・・

箏曲部に経験者として入部した私は、入部したその日にいきなり
他大学の尺八の方達と合奏したり、はたまた、たまたま出入りしていたOGやOBの方達と合奏したり・・・・
というかさせられた・・・・というか・・以来、
定期演奏会等で弾く曲を同級生に教えたり、
先輩に集中お稽古をしたり、
毎日練習につきあったり・・・・。

箏を練習する場所を確保!!!するために2年生になってから入部しようと決めた計算高い私はまんまと違った方向にいってしまったのです。

一恵先生のレッスン曲は夜もふけ、
ひっそり静まり返った大学の部室で孤独に練習してました。

でもその時の経験がものすご~~く役立っていると最近つくづく感じます。

私なんかは特に目的があって箏をはじめたわけではなく
親がやっていたから・・・・・・という・・・・・なりゆきのようなもので。
いつまでに何を弾かなければ・・・・・と短期的な計画があったわけでもありませんでした。

でも、箏教室にいらっしゃる生徒さん達は明確な目的がある方達も多く、
例えば
資格をとりたい
大学の部の演奏会で弾く曲をしっかり身につけたい、
海外で指導するために基本的な奏法をしっかり身につけたい、
これまで弾いてきた曲をおさらいしたい、
古典中心にやってきたので、現代曲に挑戦したい、
その反対で現代曲ばかりやってきたので、古典も身につけたい、
「春の海」が弾けるようになりたい
忠夫先生、比河流先生の曲がひきたい、
アレンジものが弾きたい、
とにかくレパートリーを増やしたい、
ゆっくりのんびり楽しく弾いて行きたい、

たとえ箏歴が短くても、
春の海を2ヶ月後に弾かなければいけない・・・・・という状況の場合、
「それは無理です」といえば簡単かもしれませんが、
できるだけ可能にするために
指使いをシンプルにしたり、テンポをギリギリまで落としたり、
合奏するポイントを細かくアドバイスしたり、
そしてその人その人の今のレベルにあった「春の海」が弾けるようになるよう手助けをしていきます。

プロが弾く「春の海」とは完成度は違っても、
聴く人にとってはきっと素敵な「春の海」に聞こえると思うのです。

海外から短期レッスンにいらしていたTさん最後のレッスンが終わりました。
合計10時間近くお受けになりました。
最後はなんとお三味線も!

今回10曲近くの楽譜をお渡しし、それぞれさ~~~と譜読みをし
わからない部分をチェック。
海外に戻られたら、生徒さん達と、それらの曲に挑戦していただけたら嬉しい限りです。

また、ご実家のお母様にどうしてもお箏を弾いて聴かせてあげたいというご希望で
数ヶ月間レッスンを受けていたAさん、お盆にご実家にお戻りになって見事実現なさいました。

お母様というかたは、昔雅楽をなさってらして、箏をお弾きになってらっしゃいました。
今は、お年をめして、お箏を弾けない状況なのですが、聴かせてあげたらきっと喜んでくれるだろう・・・・
という思いから教室に通い始めました。

80代のお母様に喜んでいただけそうな曲や、
雅楽の曲を短くアレンジした曲、代表的な六段等、集中的に練習しました。
そして調弦についても練習。

誰かのために奏でる音の優しさ、美しさは経験年数とはまた違うんだなあ・・・・・と
レッスン中何度も思いました。
たどたどしくても、ちょっと押し手の音程があわなくても、
とっても柔らかく、心につたわる音でした。

さて・・・・・自分は何のために弾いているのでしょう。
目的は何なのでしょう・・・・・。

日々自問自答しております・・・・・ :oops:

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