二重奏

中野スウィートレイン 

『二重奏』 
金澤英明(b)、栗林すみれ(pf)


ちょうど一週間前の「秋山一将、石井彰Duo」に続き、
最高に魅力的なライブが間近で聞ける幸運。


「二重奏」は昨年末、ムジカーザでのコンサート以来。
小さな空間での音の響き、広がりの美しさも格別!
瞬間前には想像もしていなかった景色が突如現れて、
一瞬でお二人の音世界へ誘ってくれる。
それはそれは美しい世界。

優しくて、きれっきれで、情熱的。

お互いの音楽を知り尽くしているはずなのに、
まだまだいろんな魅力が出てくる!
可能性がひろがる!
そんな驚きを隠しきれず、懇親の演奏がくりひろげられているような。

素晴らしい夜、美しい夜。

それにしても私はどんどん耳がこえています〜〜大変です。


注目してしまうのは、
イントロやアドリブ、そして、最後のエンディングが
今日はどう生まれてくるんだろう・・・・

ということ。

今回聞いた曲、半分はお初でした。
彼女たちのCDやこれまでのコンサートで聞いたおなじみの曲
ももちろんあるわけですが、
毎回、本当に色が違う。

もちろん前回の内容をしっかり覚えているわけではないですが、
全然違うのです。

彼らはもちろん、この日のために、何か用意したものを演奏するのではなく
その瞬間瞬間に感じていることをそのまま音にしているわけで、
違うのは当然なのですが、
それにしても、どうして、そこまで、すばらしい完成度でその瞬間瞬間の
音楽が成立するのだろう・・・・。


恐ろしく超絶な技巧、なんともぐっとくる独特のリズム、グルーブ
すべてが絶妙にまじりあって、音世界が浮き上がってくるのです。


すみれさんは、アドリブの時、けっこう声を出す。
その瞬間に自分のなかから生まれてくるメロディーを声に出しながら、
それをそのままピアノの音にしてこちらに伝える。


多くのジャズプレイヤーが声をだしながら、(歌いながら)
演奏するが、その気持は非常にわかる。

自分もアドリブの練習をするときに、
最初に出てくるのは声だ。
歌いながらそれを箏の音で表現しようと練習するわけだ。

練習中はそれができても、とてもライブではそんな余裕はない。
その前に、勝手に手を動かしてしまうのだ。
(こう弾く、これを弾く・・・・と、アドリブ内容を決めていたとすれば、可能だけど)


それは、何千回、何万回、といろいろな曲のコードにのせて
自由に演奏をする・・・というものすごい道のりを経てきたから
こその力であり、そういったものすごいテクニック、感性を
目の前で体感できるというのは・・・


本当に貴重なことだと思う。



この日は、お客様は少なく、おかげで、ものすごくゆっくり聞けたのだけど、
ほんとにもったいないことだなあ・・・
と思った。


ほんとにすごいのに・・・・。

こんな音楽、他では絶対にきけないのに・・・。








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